英語学習を始めたきっかけ
実は自発的に英語学習を始めたわけではないんです。私が13歳の時に、町がお金を負担し地元の中学生をオーストラリアへ2週間の留学経験をさせてくれるというプログラムがありました。周りからの強い勧めで嫌々ながら参加しましたが、当時は英語も話せないし、その環境が嫌すぎて、2週間のうち10日間はホームステイ先の家に引き篭もるということをしていました。11日目からは外に出たのですが、それも一緒に来た日本人と観光という内容だったので、ほとんど日本語しか使っていませんでした。
時は流れ、大学受験を迎えます。前述した出来事により英語嫌いに拍車がかかっていた私は大学受験に失敗。その後、母の勧めで神田外語学院という専門学校に入学しました。1学期はだらだらと過ごしていたのですが、2学期に流暢な英語を話す中国人の方と出会い、帰国子女だと思ったらTOEIC300点台から勉強を始めて1年ほどで英語レベルを高めたと言っていました。また同時期に国内で英語を習得された通訳者の方と出会い、英語学習を本格的にスタートさせました。すると、TOEICの点数も半年で310点から750点ぐらいまで上がり、英語のセンスがあるかも!と思って、勘違いでも良いから英語を極めることにしました。
通訳者になりたいという思いもあったので、大学の編入試験にもチャレンジしたところ獨協大学の英語学科に合格。しかも英語のレベルが一番上のクラスに入ることができました。
自分にあった英語学習法の見つけ方
色んな学習法を試して、徐々にやり方を見つけていくというのが王道だと思うのですが、私の場合は迷わず「音読」と「独り言英会話」をやると決めていました。
私の英語学習のコンセプトとして、四技能は一技能に集約されると考えています。そして、その一技能とは”スピーキング”で、インプットのための音読とアウトプットのための独り言英会話という役割分担で学習を進めています。これらは英語ができる方たちの話を聞いた際に、みな異口同音に音読と独り言英会話が大切!と言っていたので、迷うことなく信じて続けています。
おすすめの英語学習法|単語・文法
英単語はDUO3.0という単語帳を音読しながら日英の対訳、コロケーションで覚えていました。その後は、覚えた単語を使って、自身の生活に結びついた英文をつくるようにしていました。多少間違っていたとしても、独り言英会話を通じて、どんどん改善されていくので問題ありません。
そして英文法に関しては、文法テキストの例文を丸暗記するという作戦で進めていました。最初は700〜1000個の例文を覚えました。通訳者になってからは2000例文ほどを暗記しています。大切なのは、例文を理解した上で音読し、独り言英会話で使っていくということです。
おすすめの英語学習法|リスニング
リスニングも音読をして学んでいます。例えば、TOEICであれば、リスニングパートの精聴から始めます。自分の中では脳内シャドーイングと言っているのですが、音源を聞きながら脳内に英文を浮かべるということをして、その後にスクリプトをもとに確認し、自然に覚えるぐらいに音読をしました。
中級者になってからは、精聴から多聴への割合を上げています。追加のポイントとしては、ただ音源を聞いているだけだとつまらないので、自分に使える表現はないかなと思って聞くようにしています。
おすすめの英語学習法|スピーキング
スピーキング力は独り言英会話で高めています。私は、日常編と時事編という形で2時間通して英語を話せる「英会話ストック」を持っていて、それをブラッシュアップするようにしています。
例として後者の具体的なやり方を説明しますと、読売新聞の社説とThe Japan News(読売新聞社が発行する日刊英字新聞)が対訳になっているので、そちらをみながら表現研究をしています。語彙や表現のストックを増やしながら、自分が使いやすい表現を選定するという内容です。
オンライン英会話の上手な使い方
初学者の時は自分の発音が通じるか分からなかったので、独り言英会話をした内容をスクリプトにして、それを講師を相手に音読していました。そこで、自分の発音と文法が正しいかどうかを確認することができます。
今では、自分が翻訳した文章を添削してもらう相談会みたいな使い方をしつつ、コミュニケーションを楽しんでいます。
継続学習のコツ
初学者の時は、文法や単語など分からないことも多く、勉強している時に眠くなってしまうことも多かったです。そのため、ハードルを低く設定して、薄紙を重ねるように積み上げていきました。分かることが増えれば自然と継続もできるようになります。
中級の時は、四技能を分断した考え方で勉強せずに、リスニング学習の時は聞いた音源のスクリプトを確認して自分が使える表現を探す、リーディング学習の時も問題を解いて復習する時に使える表現を探すということをして、全ての学習をスピーキングに繋げるようにしていました。そうすることで、四技能を一技能に集約し、勉強における精神的負担を減らせたと感じています。
そして、今ではプロとして継続は当たり前になっています。
英語ができるようになって良かったこと
私は同時通訳者になるために英語の勉強をずっとしていたので、実際に通訳者になってお客様に信頼されていることが一番嬉しいです。それに尽きます。
私にとって同時通訳者は、24時間働いても苦じゃない、夢中になれる仕事だと思っています。