こんにちは、Base English編集長のYukiです。
日本語でのプレゼンは問題なくできるのに、英語でのプレゼンはハードルが高いと感じた経験はありませんか?
そもそも日本語で言える語彙と英語で言える語彙の量には差があります。さらに文化や国籍の異なるメンバーにも刺さるプレゼン資料を作成するのは至難のわざです。
そこで今回は、英語会議の運営や英語プレゼンを経験してきた私Yukiが、英語プレゼンを完全攻略すべく、時系列に沿って網羅的に解説していきます。
英語プレゼンをする前に知るべきポイント、便利な定番フレーズ、リハーサルから本番時に気を付けることまで、私のノウハウを余すことなく盛り込みました。
ちなみに私は29歳から英語学習を始め、英語でプレゼンできるまでになりました。なのできっとあなたもできるようになる!と思って読んでいただけたら嬉しいです。
この記事に沿って準備をすれば、自信を持って英語プレゼンに臨めること間違いなしです。
なお、本記事はアドビの「みんなの資料作成」というPR企画に参加しています。
世界共通!プレゼンする際に押さえておくべき3つのポイント
プレゼンで押さえておくべきポイントは、英語でも日本語でも実は一緒なので、まずはそれを押さえましょう。この3つのポイントが押さえられていないと、特に海外の方向けのプレゼンはリカバリーするのが大変なんです・・・!
さっそくチェックしていきましょう!
①プレゼンの目的を明確にしておく
これは英語でも日本語でも共通ですが、プレゼンを実施して聴衆にどのような印象を持ってもらいたいのか?、行動を起こしてほしいのか?といった目的を明確にしておきましょう。最初に目的を明確にしておくことで、プレゼンの一貫性や質疑応答での回答などもやりやすくなります。
②プレゼンテーマに対する相手の知識量を把握しておく
これから自分が行おうとしているプレゼンのテーマについて、相手がどれぐらいの知識を持っているかを把握しておくことが重要です。相手の知識量に合わせて、使うフレーズを調整したり、補足説明を入れる必要があります。
さらには全体像を分かりやすく示したり、難しい内容はゆっくり話したりするという工夫も必要です。
なぜならプレゼンは自分が得意な(もしくは担当している)領域について話すことが多いため、”自分にとっては当たり前”でも相手は知らないことが多いからです。
また自身はプレゼンの準備に時間を掛けているので、内容や思考は整理されていますが、相手にとっては初めて聞く内容かもしれないという点も意識しましょう。
③メンバーとの共通認識を明確に持つ
これはプレゼンに限ったことではありませんが、プロジェクトに関わるメンバーとの共通認識を明確に持っておくことがとても重要です。
これを怠ると、当然のことながら質疑応答の場面で答えに困ることになります。
仮にこれが英語でプレゼンをしている際に起こったとしたらどうなるでしょう?
急遽その場で回答を考えるため、メンバーと母語で相談する姿は、決して相手に良い印象を与えません。
最悪、その時点で相手は切り上げモードに入ってしまう恐れもあるので、必ず事前にメンバー間で共通認識を持つようにしましょう。
以上、3つのポイントをご紹介しました。
「英語だから・・・」ということではなく、まずはこの大前提を押さえることで、相手が誰であっても、プレゼンの説得力を高めることができます。
では、ここから先はいよいよ本題。
英語プレゼン(海外向けのプレゼン)で押さえておくべきポイントは何なのでしょうか?詳しくご紹介していきます。
ここが違う!英語プレゼンで押さえておくべき2つのポイント
先にざっくり結論をお伝えすると、英語プレゼンで重要なのはグローバル基準を知ることです。日本人相手にプレゼンをする時と同じ感覚で進めていくと、思ったよりも相手の理解を得られないという結果になる恐れがあります。
そうならないよう、もう少し掘り下げて大切なポイントを2つ、見ていきましょう!
①異なる文化特性を理解する
英語プレゼンでは、グローバルにおけるコミュニケーションスタイルの違いも加味する必要があります。便利な言葉を使って表すなら、「ハイコンテクスト文化」と「ローコンテクスト文化」というものです。
具体的にどういうことかというと、日本人はいわゆる「空気を読む」だったり、「察する」という非言語のコミュニケーションが得意な側面を持っています。
みなまで言わずとも、何となく共感ができてしまう文化、これが「ハイコンテクスト文化」です。
一方で、多くの諸外国は「ローコンテクスト文化」的な側面を持っていることが多いです。
これはつまり、ハイコンテクスト文化の逆。
誰かに何か伝える際は、物事の目的や条件など、すべてを言語化する必要があり、明確な意思表示が求められるということです。
ちなみに上記の図は、各国の文化特性を表したものです。
右に行くほどハイコンテクスト文化の側面が強く、左に行くほどローコンテクスト文化の側面が強いことになります。
この図が指し示すとおり、日本語は間接的で曖昧なコミュニケーションでも、相手を慮って分かり合うことができます。対して英語圏や欧州では異なるバックグラウンドを持つ人たちが関係するため、明確で詳細なコミュニケーションをとるという文化があります。
そのため、普段の日本語を単純に英訳するだけでは伝わらないという点に注意をしておくことが重要です。
②PREP法を活用して結論ファーストで話す
上記のポイントに関連しますが、文化特性が異なるがゆえに「結論ファースト」で話すことが非常に重要です。
例えば、日本でよくありがちな「起承転結」の流れで物事を1~10まで伝えようとすると、話のポイントが掴めずに海外の方は混乱してしまいます。
こうした事態を発生させないようにするには、プレゼンの構成をよく考える必要があります。
そして、その際に役立つのが、PREP法という思考整理の型です。
PREP法とは以下の4つの頭文字をとったものです。
P(Point:主張)
R(Reason:根拠)
E(Example:具体例)
P(Point:主張)
PREP法を活用してプレゼンの構成を考えることで、主張が明確になり、「結論ファースト」なプレゼンの構成を作りやすくなります。
もちろん、PREP法を活用してプレゼンの構成を考えることは、日本でのプレゼン資料を作成する際にも非常に有効です。
ちなみに以下は私がプレゼンの構成を考える際の流れです。
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まずはA4サイズの紙1枚に「プレゼンの目的」を書き出し、目的を明確にします。
その後、話したい内容を具体化していくのですが、ここではいったん、話したい内容をすべて箇条書きで洗い出すのがおすすめです。
そこから、実際に話す内容を厳選し、目的から逆算した効果的な話の順番(プレゼンの構成)を考えていきます。
この流れで構成を考えると、思考が段々洗練され、無駄のない構成を作ることができます。
私のおすすめの手順ですので、もしよかったら参考にしてみてください。
英語プレゼンに役立つ10のおすすめフレーズ
では、英語プレゼンで押さえておくべきポイントが分かったところで、トークの準備に入りましょう。
英語プレゼンで役立つオススメの英語フレーズをご紹介します!
英語プレゼンにおいて大事なルールは、「使えるフレーズの多用」と「ポジティブで丁寧な言い回し」です。
使えるフレーズをしっかりとインプットすることでプレゼンの型ができ、緊張した状態でも安定的なアウトプットを出すことができます。
また、ポジティブで丁寧な言い回しをすることで、信頼と尊敬を獲得し、協力や相手の行動を促すということもしやすくなります。
それでは、英語プレゼンに役立つおすすめの英語フレーズを見ていきましょう。
・First and foremost(まず第一に)
これはプレゼンの始めに主題を明確にするのに役立ちます。重要な点を強調するのに使います。
・Moving on to the next point(次のポイントに移りますが)
トピックを切り替える際に使います。聴衆に次のトピックに注意を向けるのに役立ちます。
・Let’s take a closer look at(をより詳しく見てみましょう)
特定のトピックやデータに焦点を当てる際に使います。詳細な説明が必要な場面で役立ちます。
・Let’s explore this idea further(このアイデアをさらに掘り下げてみましょう)
特定のアイデアやコンセプトを深く掘り下げる際に使います。議論を発展させるのに役立ちます。
・Let me illustrate this with an example(例を挙げて説明させてください)
アイデアや概念を具体的な例で説明する際に使います。抽象的な概念を理解しやすくします。
・Now, let’s consider the implications of(では、〜の影響を考えてみましょう)
特定のアイデアや提案の影響を分析する際に使います。考えを深めるのに役立ちます。
・I’d like to draw your attention to(〜に注意を払っていただきたいのですが)
特定の重要なポイントに聴衆の注意を引くのに使います。情報を強調する効果的な方法です。
・It’s worth noting that(〜という点に留意する価値があります)
特定のポイントや情報が重要であることを強調する際に使います。聴衆の関心を引くのに役立ちます。
・In summary(まとめると)
プレゼンの最後にまとめる際に使います。聴衆が持って帰るべきポイントを強調します。
・To conclude(結論として)
プレゼンの最後に結論を述べる際に使います。議論をまとめるのに役立ちます。
私が英語プレゼンを開始した当初は毎回新しい文章を作り、それらを覚えて実践するということをしていました。そうではなくて、使い勝手の良いフレーズを覚えておくことで自信を持って話せるし、様々なプレゼンのシーンで使い回すことができるので、新しい言い回しを考える必要がなく、思考の省エネにも繋がります。
ぜひ、みなさんはこのフレーズを習得して、早速英語プレゼンの場面で活用してみてください!
英語プレゼンの成功率を高める事前練習
英語のフレーズがある程度インプットできたら、本番前に必ず声に出して練習しましょう。
おすすめのプレゼン練習法は、オンライン会議ツール・Zoomの録画機能を活用して、実際にスライドを展開しながら本番のようにプレゼンで話す様子を録画することです。
これを行うことでタイムマネジメントや自分のプレゼンで躓きやすいポイントをクリアにすることができます。また、話しながら違和感を感じた箇所があれば、スライドを修正することも可能です。それに加えて、録画機能の最大の効果は自分のプレゼンを客観視できることです。
その際にチェックすべきポイントは以下の5つです。
・表情や目線
・声のトーン
・話すスピード
・間が使えているかどうか
・ジェスチャーの使い方
この5つは、日本でのプレゼンの際にも意識すべき重要な要素ですが、特に海外向けのプレゼンでは、母国語以外で話す内容が相手に少しでも多く伝わる工夫が必要です。また人がコミュニケーションにおいて重視する割合を示した「メラビアンの法則」では、視覚を占める割合が55%、聴覚が38%、話の内容が7%と言われているので、話し方のポイントも押さえていきましょう。
表情や目線
聴衆はスライドだけでなく、プレゼンターの表情も見ています。
人前で話すことは緊張するかもしれませんが、表情も演出のうちなので、どのように見られたいか?を考えて練習しましょう。目線に関しては、そこにいる聴衆と目を合わせながら話すことで、自分に語りかけてくれている、気にかけてくれているというような印象を与えることができるのでおすすめです。
声のトーン
声のトーンを上げることで、音声でメッセージの重要性を伝えることができます。
スライド資料では視覚的な強調を行い、声のトーンで聴覚的な強調を行うと、より聴衆は飽きることなくプレゼンを楽しんでくれます。
話すスピード
緊張をすると早口になってしまう人は要注意です。
聴衆にとっては初めて聞く内容のプレゼンの場合、早口だと理解が追いつかなかったり、内容が入ってこないことがあります。事前に話すテンポを繰り返し練習することで身体に馴染ませて、本番でも再現できるようにしましょう。
「間」が使えているかどうか
「間」は第二の言葉だと私は考えています。
意図的に間を使いこなすと、聴衆の注意をひく事ができるだけでなく、次に出す言葉のメッセージ性を強めることができます。ぜひ、ここぞというタイミングで使ってみてください。
ジェスチャーの使い方
スライド以外の視覚的なアピールとして、ジェスチャーも使えます。
動きのあるプレゼンをすることで聴衆も飽きることなく、そして、メッセージがより正しく伝わるような補助機能も果たしてくれます。
これらのポイントを意識することで、言葉以上に自分の本気度を体全体で伝えることができますし、グローバルにおけるコミュニケーションレベルは一気に上がります。
最初は慣れないかもしれませんが、英語プレゼンをする際は、意識的に演じるぐらいでも良いです。
ちなみに、プレゼン原稿を音声読み上げサイトに入れて、聞こえてきた音声をもとに発話するシャドーイングもおすすめです。特にNatural Readerというツールを使えば、アメリカやイギリス、オーストラリアといった各地域のアクセントを指定して読み上げてもらうことが可能なので、自分がターゲットとしている発音でシャドーイングをすることが可能です。また、シャドーイングはリスニング力の向上や自身の発音強化に繋げていくことができるので、質疑応答の場面にも強くなれます。
ぜひ、プレゼン当日の色々な問答を想定しながら、取り組んでみてください。
プレゼン本番は、PDFデータの準備も忘れずに
綿密に練習、準備を重ねたらあとは思い切って本番で自分の力を出し切ってください。
ここまで読み進めてくれたあなたなら、きっと良いプレゼンができると信じています。
最後に私から、これだけは絶対に忘れないで!と、お伝えしたいことがひとつあります。
それは「PDFデータの準備も忘れずに」ということ!
プレゼン資料の作成には、PowerPointやKeynote、Googleスライドが使われることが多いですが、もし仮に自分のPCの調子が悪かったりすると、ファイルを展開できない場合があります。
プレゼンは時間が指定されていることも多く、集まった聴衆を待たせるわけにもいきません。また、事前にプレゼン会場の設備を把握できないケースもあり、あらゆる状況を想定して動く必要があります。
そんな時に助けてくれるのがPDFです。予めプレゼン資料をPDF化してUSBなどで持参しておくことでどんな緊急時にも備えることができます。
元データのままUSBに入れておけばいいのでは?
と思った方もいるかもしれませんが、自分のPC以外でそのデータを展開しようとした時、同じフォントが入っていない可能性もあります。
そうなると、せっかく調整した改行や、全体のバランスが崩れてしまうため、やはりどんな環境でも同じ見た目を保ってくれるPDFが一番安心できると言えます。
ちなみに、私がPDFデータを触る際におすすめするのは「Adobe Acrobat オンラインツール」です。
オンライン上で利用が可能で、アプリダウンロードの必要がないので、前述のように自分のPCが使えない・・・なんてことになっても安心です。
回数制限こそありますが、不測の事態の際にも「そういえばこのツールがあった!」と、知っているだけで安心感がありますよね?
Acrobatオンラインツールを使えば、急遽プレゼン資料のページを入れ替えたり、不要なページを削除したり、といった緊急対応ができます。
その中でも、個人的に特に重宝しているのが「圧縮機能」
プレゼン資料に写真などを多用していると、ファイルがどうしても重くなってしまいがちで、自身のPCでプレゼンをする分には良いものの、配布用としては不向きなので圧縮レベルを選んで最適化できる機能は非常に便利です。
このように、最後の最後まで徹底的に準備しておくことで、プレゼン当日により良いパフォーマンスを発揮することができます。
プレゼンはメッセージを伝えるだけでなく、自身や会社のブランディングにも繋げることが可能です。それに加えて、資料作成というプロセスでは知識や経験、情報を整理することができ、体系的な知識として自身の成長にも繋げることができます。
緊張を乗り越えた先にある、人前で話すプレゼンにはメリットがたくさんあるので、ぜひ前向きにチャレンジしていきましょう。